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本願寺の仏華

仏前にお供えするお花のことを仏華といい、浄土真宗における仏華は仏様の慈悲の心を表し、
荘厳において大きな位置を占めています。ここでは本願寺の御堂にお供えしている仏華をご紹介します。

※仏堂・仏像などを美しく飾ること。また、その装飾。

2024/01/17 の仏華

[ 使用した花材 ]

  • [真]
  • [副] イブキ
  • [請] イブキ
  • [控] イブキ
  • [流] イブキ
  • [見越]
  • [正真前]
  • [胴]
  • [胴] アスター
  • [色切] 小菊
  • [色切] スプレー菊
  • [前置] ヒノキ
  • [胴下] ハラン
  • [副下]
  • [請下]

各役枝の名称

仏華は、花材それぞれの配置を示す「役枝」に基づく「立花」の形式で生けられています。
役枝の名称と配置は下記の通りです。

①真(しん)
②副(そえ)
③副下(そえした)
④正真前(しょうしんまえ)
⑤見越(みこし)
⑥請(うけ)
⑦請下(うけした)
⑧控(ひかえ)
⑨胴(どう)
⑩胴下(どうした)
⑪色切(いろきり)
⑫前置(まえおき)
⑬流(ながし)

※上記は三具足(香炉+花瓶+ろうそく立て)の時の形となります。五具足(香炉+花瓶一対+ろうそく立て一対)の際には、右側に鏡合せの形(「見越」や「流」が左右逆)で生けられた仏華がもう一つ置かれます。

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花材辞典

アイリス

紫色の花で4月~5月頃使用する。アヤメ科

赤色枝松

松一式の仏花において胴下に使用する。松枝を加工してある。

アスター

エゾギクともいう。本願寺では主に夏場に使用する。主に赤色・桃色を使用する。
キク科

アルストロメリア

ほぼ年中あるが春が多い。色も種類が多い。
アルストメリア科

糸菊

秋の時期に使用する。花弁に特色があり美しい。
色は赤・桃・黄・白などがある。
キク科

イブキ

本願寺では役枝として使用する場合が多い。伸びやかな枝物。
ヒノキ科

本願寺では修正会・御正忌報恩講法要に使用する。主に役枝として使用するが、御正忌報恩講法要の時は真にする。
バラ科

梅もどき

本願寺では秋の時期に使用する。実物であるため細工をして、胴に使用する。また、役枝としても使用する。
モチノキ科

オンシジューム

ほぼ年中ある黄色の花。
ラニ科

年中使用する。色は白・黄・赤色がある。正真前・胴・見越などに使用する。
キク科

キャラ

本願寺では役枝として使用する場合がある。主に副・請に使用する。
イチイ科

霧島ツツジ

4月から5月にかけて主に胴に使用する。

クジャク草

見越、副下、請下として使用する。
キク科

グラジオラス

本願寺では春から夏にかけて使用する。見越、副下、請下など伸びやかなところに使用する。
アヤメ科

ケイオウ桜

本願寺では早春のころから春季彼岸会のあいだにかけて使用する。主に胴に使用する。
バラ科

ケイトウ

本願寺では8月から10月に使用する。秋季彼岸会にも使用する。主に赤色。黄色もある。
ヒユ科

高野槙

本願寺では盂蘭盆会の時、真として使用する。
コウヤマキ科

小菊

年中使用する。ほぼ色切として使用する。
キク科

五葉松

本願寺では秋から春にかけて使用する。役枝として使用するが入荷量が少ない。
マツ科

嵯峨菊

主に秋に使用する。色切に使用することが多い。
キク科

主に八重桜を使う。胴に使う。
バラ科

サンシュユ

冬場から春先にかけて胴に使う。黄色花が特徴である。
ミズキ目ミズキ科

シオン

本願寺では秋季彼岸会に使う。
キク科

シャクヤク

本願寺では5月から6月に使う。胴に使う。半八重のものがよい。
ボタン科

ショウブ

本願寺では4月から5月にかけて使う。主に見越など伸ばすようなところに使う。
サトイチ科

白色枝松

松一式の仏花において見越や副下、請下に使用する。松枝を
加工してある。

水仙

本願寺では御正忌報恩講法要に使う。細工をして形をつくる。正真前、胴、見越などに使う。
ヒガンバナ科

スプレー菊

本願寺では色切として使う。年中通してある。赤、桃、黄、白色などがある。
キク科

ソテツ

役枝として使用することが多い。副、請などに使用し、前置に使用することもある。日持ちもする。
ソテツ科

ツゲ

本願寺では御正忌報恩講法要の前置に使う。細工をして前置の形をつくる。
ツゲ科

ツツジ

本願寺では4月に使う場合が多い。主に胴に使うが副下、請下にも使うことがある。
ツツジ科

椿

本願寺では御正忌報恩講法要に使う。細工をして花と葉を合わせ色切として使う。
ツバキ科

鉄砲ユリ

見越、副下、請下として使用する。
ユリ科

トルコキキョウ

年中使用する。花持ちがよい。色も多数ある。
リンドウ科

南天

本願寺では修正会・御正忌報恩講法要に使用する。細工をして胴に使う。副下、請下に使用する時もある。
メギ科

ニオイヒバ

副、請、前置に使用する。剪定をして細工をし使用する。
ヒノキ科

二輪菊

夏から秋に使用する。胴の脇に使用したり、色切に使用することもある。
キク科

ハス

本願寺では盂蘭盆会に使用する。正真前に使用する。
ハス科

葉ボタン

本願寺では修正会に使用する。色切に使用するが色は白色にする。
アブラナ科

ハラン

主に胴下や空間を埋めるために使ったり、また後の囲い葉などに使う。受筒を包む時にも使用する。

梅真

本願寺では御正忌報恩講法要の時に真として使用する。

彼岸桜

本願寺では主に春季彼岸会に使用する。胴に使用する場合が多い。
バラ科

ヒノキ

胴、控、前置に使用する。剪定をして細工をし使用する。
ヒノキ科

紅赤目栁

本願寺では御正忌報恩講法要で見越などに使用する。赤みの皮をめくり白色の綿毛を芽にする。
ヤナギ科

ホトトギス

本願寺では秋頃使用する。副下、請下に使用する。
ユリ科

ボタン

胴に使用するがニ段目にする。
ボタン科

牡丹桜

八重桜ともいう。本願寺では春の法要で使用することがある。胴に使用する。
バラ科

巻真

松の葉を糸で巻き、それらを組み合わせて松の真を作っていく。

真はほぼ松真を使用する。他にも控、流、前置に細工をして
使用する。松一式の場合、胴にも使用する。
マツ科

松巻真

本願寺では御正忌報恩講法要の時に真として使用する。また、重要な法要の時にも使用する場合がある。

本願寺では2月から3月にかけて使用する。正真前の他、見越などにも使用する。バラ科

ユリ

年中使用するが、あまり香りのきつい物は使わない。
ユリ科

リアトリス

本願寺では夏場に使用する。見越や副下、請下などに使用する。
キク科

リンドウ

本願寺では夏から秋に使用する。見越や副下、請下などに使用する。紫のほか、白、ピンク色もある。
リンドウ科

レンギョウ

本願寺では2月から3月にかけて使用する。主に胴に使用する。
モクセイ科

蓮台

本願寺では盂蘭盆会の時に使用する。

辞典監修:本願寺御用達 開明社 「有限会社花新」
代表取締役 水本高史