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文化財修復

唐門修復情報 漆工事vol.4「下地を補強するために」

下地を補強するために(2020.11.1)

修復箇所を平滑にした後に、木の割れ防止や、やせた箇所の補強を行うため、麻布と糊を使用した布着ぬのきせ作業を行います。のりは漆・米粉・小麦粉を混ぜて作製したもので、小麦粉は糊の粘り気を出すために使用します。糊を補強箇所全体に均一に塗り、その上から麻布をかぶせます。糊がはみ出した箇所は掻きだして全体的に伸ばしていきます。糊が乾燥した後に余分な麻布を裁断し布着せ作業は完了です。

布着せ作業の後は、生漆きうるし※1※2を混ぜ合わせた漆錆うるしさびを木地表面全体に塗る錆付さびつ け作業と、漆錆を乾燥させ水研ぎをする錆研ぎ作業を行います。錆付け作業は補強面を綺麗にし、錆研ぎ作業で表面を整えて漆を入り込みやすくします。この作業を繰り返し行って下地を補強し、作業は終了となります。次は漆塗の作業を行います。

※1 粒の粗い土。生漆と混ぜたものは厚めに付けることができるので、凸凹を補修し、木地を整えます。
※2 粒の細かい土。生漆と混ぜたものは、ツルツルしているので化粧錆として使用し、漆を塗りやすくします。

柱に糊を塗る作業

麻布を張り付けた柱

錆研ぎ作業中の柱

錆研ぎ作業を終了した柱

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